ほのかたブログ

仄語らう。日ごろ感じたことなんかをちょっとだけ

彩りを失った車窓からの景色

2023年に入ってからというものの、家庭のこととか、大切にしてきた人を失ったこととか、自分のコントロール下に置けない出来事が多い。

 

昨日の仕事帰りの電車内。ふと思いついた言葉が「味のしなくなったガム」。もしくは「彩りを失った車窓からの景色」とでもいいましょうか。無気力感に支配されながら、しばらくぼんやりと過ごしていたところ、ふと「ワイン」のことを思い出した。

 

2023年になって唯一心躍る経験をしたワイン会。この会をきっかけに今までビールばかり飲んでいたのだが、すっかりワインの魅力に引き込まれてしまった。

 

で、結局自宅を通り過ぎ、家族には内緒で、行きつけとなりつつあるワインショップへ向かう。このお店は1杯250円から試飲ができ、スタッフからも簡単な解説を聞くことができる。

 

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昨日は蒸し暑かったので、まずは白から。カリフォルニアのシャルドネ。バニラのような甘やかさは、聞けば樽の香りだそう。まずまずの滑り出し。3原色で言う「青」か。クールな自分をまずは取り戻す。

 

続いて、1本10000円のナパのカリフォルニアワイン。カベルネソーヴィニヨン。コスパワインばかり追求してきた私にとっては、値段の違いを知りたく思った。

 

香りを取る。むむ…、これは…。抜栓から2日経ったとのことで、今が一番の飲み頃だという。口にそっと含む。

 

なななな…、なんという果実味!今まで飲んできたカベルネソーヴィニヨンは何だったのか。温暖な地域で育ったぶどうはこうも甘く香るのかと。このワインに完全にひれ伏す形となった。お買い上げしようか悩む…。これは三原色でいう「赤」だな。生きる力が湧いてくる。

 

ここからは怒涛の3連続の試飲。ポルトガル、イタリア、カリフォルニアの赤。やはり最初のカベルネソーヴィニヨンには劣るが、すべて個性のある味わいと香り。この時点で程よく酔いも回り、昔から仲の良かった友人と森林に行った時のような落ち着きを取り戻す。「緑」。

 

完全に彩りを取り戻した時には、ワインをしっかりお買い上げ(笑)。帰宅後は家族にバレないようにそっとセラーに入れる。

 

今までは気持ちが沈んだ時はやけ酒を浴びるように飲んだものだが、ワインに出会ってからは少量でこんなに気持ちが晴れ晴れとするものなのかと正直感動している。どんでもない飲み物を人類は発明したものだなと、心から思わざるを得ない。

 

よし!今日も飲みに行こう(笑)